ただ直すだけですか?それともこだわりますか・・・不動産からインテリアまでワンストップサービス

“ミニマリストライフ”を目指す! 省スペースでシンプルに暮らす 

極力無駄を抑えた、スペースを最大限に生かす実験的住居。昭和の既存不適格マンションを現行法令に合わせてリモデリング、住まいやすく改造。
どう暮らすか?を考えたうえで、暮らすための荷物、住まうための導線を徹底的に計算しました。

スケルトンリフォーム レポート

西麻布 築40年超 
既存不適格なマンションをほぼ現行スペックに改造♪

スラブは180程度で、配管が階下の天井の下に配置されている状態。当該室の天井スラブの下に見えるのは上階の配管。スケルトンリフォームをしても、自邸の配管は改修できないという建物。すでに30件は手掛けたが、旧勤労者住宅供給公社系や旧秀和系のなど、昭和40年ころの初期の分譲マンションで多く見られるつくりだ。対応の仕方はマンションによって異なるから、その都度指示に従って対応してきた。
 

・・・何とも臭うので、水回りの天井を壊してみよう・・・スケルトンリフォームはそこから始まった・・・

不動産業とは言えど、賃貸の場合、内装後の住める状態で案内することがほとんどですから、どれだけその奥の見えない場所の配管が劣化しているか、なんて判断つきません。
しかし、これまでこの建物を数室手掛ける機会があり、なんとも施主様の意思と、ご要望と、賃貸だし・・・といった判断が大前提の工事内容では、しっかりした調査はできませんでした。

今回、なんだか臭い!から始まって、解体をしていくうちに、現実が如実に表れ、いろいろ検討の結果、この事実は公表して、同世代の建物を所有する方の、何かお役に立てたりしたら・・・ということでこのように画像をアップしよう、という運びになりました故、掲載させていただくことになりました↓ ↓ ↓。

 

クリックすると拡大します。

 

まず、浴室が再利用可か、チェック。

こんな風に↑、クローゼットを広くとったワンルームに!
というのが一応ゴールの設定だが・・・

臭気の原因と漏水の可能性があるため、解体をしてから内容を確定する、というリフォーム工事

 

和室を解体
まだ奥にブロックが残っている状態
ブロックは残して手前にクローゼット、の予定
 

 漏水発見!

残念ながら、お湯が流れ出ている形跡あり
この位置はどこだろう
調べると、ちょうど浴室の排水
(T字になっている排水溝の階下への穴の部分)
結論として、浴室の再利用は、近い将来階下に漏水する可能性大!
 

在来工法を中止してユニットバスを提案

 
ユニットバスにする場合、必要設置寸法が確保できないため
上のタイルの画像の右側、ブロックで仕切られている壁を
撤去する必要があるが、騒音も生じるので管理組合に申請が必要
 
所有者から管理組合を通して管理会社と協議、
ブロックを解体するにあたり
設計図書を作成し、施工方法等を書面化して許可を得る
ご近所にもその日は騒音が生じることのお詫び文を掲示
 
残念なことに、前回のリフォームをされた際に、旧タイル床の上に、
さらにもう一段モルタルを直にうち、防水はせず、10センチほど床を
高くしていたため、上の階の排水管と既存タイルの間に
 

しかし、予定個所には、ユニットバスが設置できない!

 
必要設置寸法が、またまたない!目視採寸して、床が上がっているのではないか?
の予測はついていたけれど、天井を壊さないと入らない、ので↑の画像の通り
すっかりスケルトン。
 
この時点で施主様の初期のご希望予算が上回ることが判明。→協議の上、
「賃貸に出す部屋」という商業目的なので、
瑕疵が生じて漏水などが発生した場合の責任を考慮すると
しっかり直しておくことが貸す側の任務、とのご判断を賜りました(ホッ)。
 
ユニットバスを設置させるために、天井も解体↑画像。
すると室内が、とても臭(くさ)い、に変化・・・
 

管理組合対応で、上階の排水管を引き換えるという流れに・・・

↑管理会社指定の排水業者の方に来ていただき、
『上の階の(でもこの回に存在する)汚水管』の漏れを確認。
ばきっと折れているわけではないので、ひび割れから染み出る程度。
染み出ても昔の配管は麻布(あさぬの)がぐるぐる巻きにしてあるので
ポタポタと垂れてくることはない。
しみて、乾いて、を繰り返している模様・・・なので臭い。
臭いところに天井という蓋がしてあるので、なんとなく臭い程度に、臭いものに蓋状態、
ゆえに、予想した匂いではないけれどなんとなく臭い→ 妙に納得。
 
下階にある上階の排水の回収のための施工費用は
共用部分という扱いで修繕積立金にて改修してもらうことに。
・・・ここで、工程を改善。
 
いったん弊社の工事を止めて、現場を管理組合指定業者にお譲り。
一回休む、の状態。
 
施工の段取りをした後に、再度工程を組みなおす場合、確実に工期は伸びる。
 
新しくなった上階の汚水管。旧管がまだある状態の画像。
蛇足だが、板が張ってある部分は浴室の排水で、既存のタイルに埋まっており、
現段階では引換ができないため、上階の浴室床壁タイル個所の防水工事を
上階は上階の所有者が履行。
これについては管理組合負担ではなく、所有者の劣化改修責任のため
所有者自己負担となる。どのみち自己負担で賃借人居住のまま
施工を余儀なくされるのであれば入居前にしっかり施工したほうが
賃借人にとっても楽なのではないか。
 
現況、汚水管にキッチンも洗面化粧台も洗濯機の排水も、一緒に流れてしまう構造。
汚水管の出口が一本なので、既存不適格だが、これは改善不可。
改善する場合はマンション全体の大規模改修工事での対応となる。
 

 ようやく方針を決定して、本来の工事に着手!

 給水管は、数年前の大規模修繕工事で新規の配管がPSまで来ていたので、
二次側工事はその延長、居室内の給湯給水管は新規となる。
 
本来、この画像の黒いタイルと洗面化粧台の位置は、ユニットバスのはずだったが、
洗面位置を変更しユニットバスを設置。
理由は、旧浴室排水管の横引き箇所が裂傷していたので、それを交換する必要があり
交換するためには勾配の高さや天井にある上室の排水管との干渉などが原因で
予定個所に設置は不可能、という判断を下し、施工前、解体時に
ウォークインクローゼットを中止。
中止したウォークインクローゼット分の収納には満たないが、洗面脇に収納を設けた。
予定より一回り大きな1316のユニットバスを無事設置し、化粧台、洗濯機の排水も
キッチン、トイレと合流させ、
キッチンの排水はドレン清掃をしたうえで引き渡した。
ドレン清掃も、普通に対応して階下で割れたら大変なことになるので、
モニターで中を見ながら丁寧に履行。
 

予測はしていたが、床の高さに予想の範疇を超える問題が生じる!

スケルトンにしてみると、床は左手前と右奥で2センチ以上!の高さの違いがあり、
真ん中が一番へこんでいる状態だったので、右の段差の低いほうを
置床工法でかさ上げすると、段差が1.5センチほど生じる。
さらに施工費がかかるが、セルフレベリングで調整するという工程を加えた。
 

小さな虫が、どこからかやってくる・・・

虫がとにかく発生するため煙の出る除虫材を3度焚いたが、
それでも小さな虫が飛んで来るので、穴という穴をウレタンで埋めた。
水回りの天井は虫のこともあり、組みなおして天井を作ることを提案。
リビングは天井を組み戻すことはせず、躯体に塗装を施す許可を得、
上階からの漏水が発生した際には目視できるようにした。
 
 

内装ができあがるにつれ、共有部分の劣化が目立ってきた・・・

トイレの窓枠などのしゃがれ感が何とも微妙だったので、
全体的に空間をシャビーに仕上げるようにし、
どうにも判断に困った汚れが落ちない鉄扉に関しては
真ん中の平面部分に木目のダイノックシートを張り、
貼れない箇所はエイジングで仕上げることに・・・
 
一番大変だったのがサッシ。戸車がねじれてつぶれており、レールも曲がって
とにかく開閉が困難な状態。ベランダに出るたびにこの重い窓を開け閉め
するなんて、あり得ないだろう!!ということで、
サッシ4枚全分解。
 
枠の曲がり具合に合わせて、干渉する部位を削ることに。
ペンチで部品を持ち、サンダーで削って、
何とかスイスイ動くようにカスタマイズ。
 
キッチンの壁。ボードに不燃材を張った上に、
防炎性能のある特殊材にてエイジングを施し、デザイン性を整えた。
 
ここまでする必要があるのかはさておき、
古い分譲マンションを購入しリノベーションすることが流行っているが、
古すぎるマンションは、
『当該居室に起因しない、プロでも予測できない問題』が生じる場合があるので、
初めてのマンション購入などで、住宅ローンを抱えてリフォームする場合は
価格が築後40年などに比べたら高くとも、築年数が比較的浅い(10年前後)物件から
スタートし、住宅ローンの返済を先に終わらせることを優先しながら、数回買い替えてステップアップし、
最終的に現金で購入できる時に大掛かりなリフォームにトライする購入方法を弊社は推奨している、ということを加筆したい。
 
中古マンション購入についての弊社の見解、
詳しくは代表者著書をご紹介させて頂きます。
 

分譲マンションを対応する場合、インスペクションを含め、売買の観点
設計の観点、管理の観点、それぞれの目線をトータルに把握したうえで
責任ある施工をお納めするのが、設計施工双方を担当する会社の使命と思われますので、
出来る限りコストも抑えながら、安全な仕上がりを目指しました。